会社の利益を大きくするためには、売上を増やすと同時にコストの削減も欠かせません。日々、コスト削減を意識していれば、企業の業績が悪化したとしても損失を最小限に抑えることにもつながります。またコスト削減は、「働き方改革」を推し進めていくために、避けて通れない道でもあります。このような中で今特に注目されているのが「テレワーク」です。政府が掲げる働き方改革の1つでもある「テレワーク」は、企業だけでなく行政機関においても普及し始めています。テレワークは一般的には、業務効率化やワークライフバランスの観点から導入される印象がありますが、コスト削減においても大きな効果があることはご存知でしょうか。そこで今回は、テレワークのもたらすメリット、テレワークがどのようにコスト削減につながるのか、という点についてご紹介していきます。
1、テレワークがもたらすメリット
〈従業員側のメリット〉
- ライフスタイルが変わっても仕事を続けられる 出産・育児・介護・家族の転勤などの理由からキャリアを諦めざるを得ない従業員に対し、家庭の事情を考慮しながら働くことのできるテレワークという選択肢は有効だと言えます。
- 通勤に関するストレスの解消 毎日の長時間に及ぶ電車通勤は精神的にも肉体的にも相当負荷がかかるはずです。
自宅や最寄りのカフェなどでテレワークをすることができればそれらは一気に解消されるはずです。 - ワークライフバランスの向上
仕事とプライベート、どちらも充実させるのはなかなか難しいです。
テレワークの場合、様々なストレスからの解放が期待でき、また、場所の縛りがないため基本的には自身の好きなところで仕事ができます。開放的な環境はその人のパフォーマンスを向上させやすく、それが仕事やプライベートに与える影響は大きいと言えます。

〈企業側のメリット〉
- 生産性の向上 テレワークの場合、自分の働く姿勢は誰からも見られることがありません。
テレワークでは目に見える成果を数字で出さなければならないため、必然的に意識を強め、その結果生産性の向上を企業全体にもたらすと言えます。 - 非常時における業務の継続性 地震・台風などの災害時や今回のコロナのような感染症が流行した場合にでも、インターネットに接続可能な環境さえあれば会社に出勤することなく業務を遂行でき、企業は事業の継続が可能です。
- コスト削減効果
テレワークを取り入れることで期待できるのがオフィスコストの削減です。
次章ではテレワークの導入がどのようにコスト削減につながるのか説明していきます。
2、テレワークがなぜコスト削減につながるのか
企業の一番の目的は、利益を向上させることです。そのためには、「売上を拡大させること」と「コストを削減すること」の2つを行う必要があります。利益を向上させるというと、前者の方が注目されがちですが、いくら売上を拡大しても積み重なるコストをそのまま放置していたのでは利益率は一向に上がりません。そこでコスト削減がとても重要になってきます。

その一方で、企業はコストに関して何の策も講じて来なかったかといえばそうではありません。「出張を減らす」「備品の購入を控える」「使えるものは再利用する」「社員旅行を廃止する」など分かりやすく目につく部分のコストは削減してきたはずです。つまり、可能な限りのコスト削減は行ってきたのです。企業にとってはもうこれ以上何をすればいいのか分からないというのが本音かもしれません。
しかし、これまで紹介した分かりやすい部分でのコストを抑える以外にも、当たり前のようコストがかかっている部分があります。それが、「オフィス賃料」「通勤費」「採用費」などです。今まで対象にならなかった、あるいはできなかった部分でコストを削減できれば、今まで以上の利益率の向上を望めるはずです。そして、そのために取り組んでいくべきなのが「テレワーク」なのです。
3、テレワークによって削減できるコスト
・オフィス賃料
オフィスの賃料には大きなコストがかかっています。そのため、「コスト削減」と聞いてオフィスの賃料を一番に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。多くの企業では、社員一人一人にデスクと椅子が用意されていますが、テレワークを導入すればオフィスに在籍する人数分のデスクと椅子は不要です。実際に、社員が自由に席を選べるフリーアドレス制度を採用することで、デスクと椅子を減らす企業が増えてきています。デスクと椅子を減らした分、オフィス面積を縮小することが可能です。さらに、物理的な距離が近い支店や事業所があれば、統廃合することもできるかもしれません。オフィス面積や支店数を減らせば、賃料だけではなく建物にかかる保険のコスト削減もできます。また、社員が毎日オフィスに出社する必要がなくなれば、都心の便利な地にオフィスを構える必要性もなくなるのではないでしょうか。地方や郊外にオフィスを移転することも検討できるでしょう。

・交通費 テレワークを導入すれば、通勤が必要なくなります。そのため通勤手当の削減にもつながります。そのため、オフィスまでの通勤定期代の支給を止めて交通費を実費で支払う企業も出てきています。このように、テレワークにより、社員の定期代や移動にかかる交通費を大幅にコスト削減できるのです。

・採用コスト これまで、結婚や出産、介護などライフステージが変わることによってオフィスへの出社が難しくなり、退職せざるを得ない社員も多かったのではないでしょうか。経験と実績のある社員が退職することで、組織の生産性が下がるという悩みを抱えている企業もあるでしょう。さらに、労働人口の減少により新たに優秀な社員を確保することが難しくなってきています。テレワークを日常的におこなっている企業は、社員から働きやすさが評価され、離職防止につながるでしょう。その結果、採用コストを削減することにつながります。
まとめ
テレワークが社員だけでなく企業にとっても大きなメリットをもたらすということがお分かりいただけたと思います。もちろん、テレワークの導入にあたっては、環境の整備などに投資が必要な場合がありますが、長い目で見ればテレワークによるコスト削減は、こうした投資額 を上回り、最終的には企業にコスト削減の恩恵をもたらすことになります。コスト削減は企業の存続や生存にかかわるとても重要な取り組みです。テレワークを導入して最適なコスト削減を目指しましょう。
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